メランコリア
監督: ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト
シャルロット・ゲンズブール
キーファー・サザーランド
シャーロット・ランプリング
あらすじ:
巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、
ジャスティン(キルステン・ダンスト)は盛大な披露宴を催す。
姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)の夫(キーファー・サザーランド)が
所有する豪勢な屋敷での宴は盛況だったが、
花嫁のジャスティンはどこか空虚な表情だった。
披露宴を取り仕切った姉夫婦はそんな妹を気遣うが……。
(yahoo映画参照)
感想:
【ダンサー・イン・ザ・ダーク】があまりにも有名な
ラース・フォン・トリアー監督。
私は【奇跡の海】しか観てませんが何か相性の良さを感じたので
今回の作品も期待大にして鑑賞しました。
地球に急接近する惑星メランコリア。
《メランコリー=憂鬱・鬱病》
SFじゃないよ。
実は人間の精神、幸福、権威、など一般的な価値観が
すでに崩壊に向っている様子を美しくも不穏な気配の中で
登場人物の心象描写を通して表現した作品のような気がしました。
物語は二部で構成されていて
妹ジャスティン(キルスティン・ダンスト)と
姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)の対比により
全く違う立場の人間が同じ危機に瀕した時
どのような心情でどんな行動に出るか
分かり易くアプローチしてきます。
私自身はジャスティンにとても似ていると実感。
彼女の行動が先読みできる程すんなり入り込めました。
ジャスティンと違って優秀な人材でもなければ
期待もされてないんで
彼女が感じたような重圧感はないですがww。
いよいよ惑星衝突が近づくと姉妹の行動は対極に。
家庭があり社会に根を下ろして生きている姉は
狼狽し、最期の日は沢山の人に囲まれて向かえたいと
望みます。
一方、お仕着せの幸福に違和感と重圧を感じ
鬱状態に陥っていた妹は、どこか落ち着きはらって
むしろ、この日を待っていたような風にも見えます。
一糸まとわぬ姿で惑星の青い光をあびるジャスティンの
姿が彼女の全てを物語っていたように思います。
私はこの作品はラース・フォン・トリアー監督自身の
物語であって、何か世間とのギャップ、重圧、閉塞感から
自由になり、次のステージに行きたいと言う声に
聞こえてしょうがなかったです。
だから同じ状態であるのに
プロローグの美しく不思議な表現があり
エピローグの救われない表現があったのだと思います。
しかし、この豪華キャストにはたまげた。